合同会社という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 合同会社は、日本では比較的新しい会社の形態で、株式会社と異なり、出資者(社員といいます。)が経営の意志決定を行う形態の会社ですが(株式会社は、出資者(株主)と経営者(取締役)とが分離しています。)、どのような特徴があるか、合同会社のメリットとデメリットをご紹介いたします。

〈メリット〉

  1. 設立登記費用が株式会社より安いです。設立登記申請時に法務局に納める登録免許税が、株式会社の場合は最低15万円となりますが、合同会社の場合は6万円となります。また、合同会社は設立時に公証人の定款認証が不要です。
  2. 株式会社と同様、出資者が会社に出資した額以上の責任を負うことがありません。
  3. 決算公告の義務がないため、決算時の官報等掲載費用がかかりません。
  4. 役員の任期がないため、任期満了時の役員変更登記が必要ありません。
  5. 会社法に違反しない限り、定款で会社の内部組織等を自由に設計できます。
  6. 株式会社と異なり、出資者と社員が同一なので、出資者自らが業務執行を行うことになり、早い意思決定が可能です。

〈デメリット〉

  1. 代表者の肩書が、登記簿上は(代表)社員となり、代表取締役と登記されません(名刺等の肩書きを社長、CEOとしている会社もあります)。
  2. 株式会社と比べ、小規模な会社のイメージや、決算が非公開なことにより、取引の相手先によっては取引が制限される可能性があります。
  3. 利益の配分割合を出資額とは関係なく設定できるため、出資者が複数いる場合、利益の配分割合について不満が出て対立が起きる危険性があります。
  4. 出資者自らが業務執行を行うことになるため、出資者(社員)同士で意見の対立が起きると、経営上の意思決定に影響が出る可能性があります。

 合同会社には上記のようなメリット、デメリットがありますが、事業の内容や経営の形態によって合同会社が適している場合があります。また、著名な会社の日本法人には合同会社も多く、今後合同会社の認知度は益々上がってくるものと思われますので、会社設立の際には、合同会社を選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか。

 会社設立、その他会社(法人)の登記手続等は、ぜひ当司法書士法人にご相談ください。